A02班

2025.3.21

社会環境変動から探る古代アンデスの儀礼的暴力と戦争の起源:人骨の生物考古学的分析

長岡 朋人(青森公立大学)

本研究では、アンデス文明の遺跡からの出土人骨に残された外傷の痕跡を手がかりに、「儀礼的な犠牲」と「組織的な闘争」、二種の暴力から見た文明史を構築する。核心的な問いは、(1)出土人骨に残された外傷はどのような所見(種類、頻度、好発部位、重症度、治癒痕)を持ち暴力の結果と見る証拠はあるか、(2)犠牲者の生老病死はどのようなものであったか、(3)古代アンデスにおいて暴力はいつから始まり、社会的・経済的・環境的要因とどのように関わりを持って変化したか、である。本研究の目的は、古代人のライフヒストリーの多面的な分析を基礎として、儀礼的な犠牲と組織的な闘争の両者から見た新しいアンデス文明史を構築することである。

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