C02 表象とモデル

3Dモデルの体系的取得と定量的分析、マテリアマインド形成のモデル化                    

考古・人類学データの多次元表彰とモデリングによる文化動態の解明(表象とモデル班)

本計画研究は以下四つのステップにより、マテリアマインド領域が目指すモノと認知の関係、すなわち「多様なモノは、さまざまな場所・時期において、どのように変化し、その変化はどのようにヒト認知と関わるのか」という問いを解明することを目的とする。まずはA01班などと連携しながら(1)レーザースキャナーやSfM-MVSなどの手法によって、多様なモノの三次元データを収集し、そのデータを幾何学的形態測定などの手法によって定量的に解析していく。この解析を通じ、A01・02班と協働しつつ(2)異なるモノ同士の関係から、たとえば集団のアイデンティティといった認知的側面などと、ヒト集団のさまざまな側面(モノの多様性、集団規模・多様性など)がどのように関係するかを検討する。さらに、A02・B01・B02班とともに(3)ここまでの検討から、心理学実験や、地域や時代を超えた民族誌的・考古学的比較研究などで考察すべき仮説を抽出し、実際の実験や時空間的比較によって検討を重ねていく。最後に、C01班と連携して(4)遺伝子などの生物学的側面も踏まえながら、モノと認知の関係について統合的進化モデルを構築し、マテリアマインドという異分野融合新領域を取りまとめ、新たに形成することを目指す。これにより、大規模な文化動態データや三次元データに基づく関連諸研究に見られがちな停滞感を払拭し、国際的な新機軸を提案する。

  • Image1: 田村遺跡出土の弥生時代土器写真と3次元モデル(高知県埋蔵文化財センター所蔵)

  • Image2: SfMによる土器計測風景動画(土器は高蔵遺跡出土のもの,南山大学人類学博物館所蔵).Kaneda et al. (2022)より
    https://doi.org/10.1371/journal.pone.0270660.s033

  • Image3: 古墳時代古人骨三次元データの幾何学的形態測定(と主成分分析)による分析結果を経度に沿ってプロットした図.Nakao et al. (2024)より.

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