第2回全体会議を開催しました。
2025.1.14
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2025年1月11日・12日に、岡山国際交流センター+オンラインで第2回全体会議を開催しました。マテリアマインドをテーマに、考古学、人類学、認知科学など様々な分野の研究者が集まり、物質と心の関係性について議論が行われました。
1日目のセッション1では、キネシオロジーの手法を用いることで、これまで定性的だった考古学や人類学の研究に定量性をもたらす可能性、チンパンジーの道具使用や社会学習、石器・土器製作のプロセス、伝統芸能における身体技法など、異なる分野の知見を統合することの重要性が具体的な研究成果をもとに検討されました。さらに、長期的な時間軸で人類の認知や行動を捉える必要性や、現代人の感覚を過去の人々に当てはめることの問題点なども議論されました。
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2日目のセッション2では、土偶をマテリアマインド研究の素材として使用することについて、複雑さを共通軸とした定量的評価方法や人型人工物の重要性、メモラビリティの概念適用など、考古学と認知科学双方の視点から具体的な研究方針が議論されました。セッション3では、考古学と地球科学の連携による環境変化と人間活動の関係性理解を目指す研究の方向性が探られました。全体討議では、文化という概念を中心に議論が行われ、異分野間の連携を深めて新しい研究領域を確立していくプロセスにあることが確認されました。今回の成果を踏まえ、今後さらに学際的なアプローチを発展させ、マテリアマインドの研究を深めていきます。
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開会挨拶 領域代表 松本直子(岡山大学・教授)
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2日間の成果と講評を踏まえセッション全体を総括
5階会議室でのポスター発表の様子
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